2005.01.31 Monday
カルロッタの種子島さん。
声の調子はそれほどよくはないようでしたが、演技面ではとても細かく演技されていたと思います。「スィンク・オブ・ミー」では、クリスティーヌよりカルロッタのほうが歌で演技をしていた(笑)
声を細く抑えて歌う部分と、強く歌いきる部分のメリハリがきいていました。
目を細めて遠い記憶を見定めようとするかのように、声を細めて震わせていた。
ただあまり声が伸びてこないのと、高音域で音を切る際の語尾の処理が粗かったのが気になりましたが。
「プリマ・ドンナ」ではカルロッタが主旋律を歌い、その上に支配人やラウル達が様々な旋律を乗せていくのですが、土日ともこの場面が揃わなかったですね。
カルロッタはカルロッタでオケのリズムに乗せて歌おうとし、オケはオケで役者の歌に合わせて演奏しようとした結果、どっちつかずでバラバラになってしまっているという印象を受けました。
途中から歌がどんどん崩れていくので、聴いているこっちもよく分からなくなってきて、「これはダメだ。どこかで正しいリズムをとれないものか・・・そうだ指揮者だ!」と思って指揮を見ましたが、う〜む、指揮を見ても正しいリズムはとれなかった。
ここはオケがしっかりと演奏してあげないと、歌ってる役者さんは辛いだろ〜。
「プリマ・ドンナ」に限らず、「ハンニバル」「ドンファンの勝利」など、ソロではなくコーラスで歌う場面では、オケが頑張って場のリズムを支えてもらいたい。
『オペラ座〜』のあの伴奏を、少人数で支えるのは大変だろうとは思うのですが。
ピアンジの半場さん。
まだ始まってそれほど日が経っていないせいか、とても美しい高音を聴かせていただきました。オーケストラからは微妙に距離をとりつつ、慎重に歌ってらしたのが半場さんらしいなと(笑)
おなじみの支配人コンビ。
こちらも、ややオケの伴奏に歌いにくそうにしてらっしゃいましたね。
支配人のオフィスのシーンでは、フィルマンさんの歌のテンポにオケがついていくのが大変そうであった。
アンドレさんが「イル・ムート」で指揮者に向かって「バレエだ、さあ!」と怒る場面は、さすがにリアルで面白かった。
何の関係もないのに、とりあえず演技の流れで怒られてしまう実際のオーケストラの指揮者は気の毒だよなぁ・・・。
唐突にバレエの音楽が始まって、アンドレさんが舞台に取り残されるのは、ひょっとしたら指揮者のささやかなリベンジなのかも知れない( ̄ー ̄)
深見ルフェーブル。
ルフェーブルは特にオケに合わせて歌う場面はないのですが、「ハンニバル」の伴奏をバックに台詞が入りますね。
深見ルフェーブルは、まるで歌うように台詞をリズムに乗せているので、台詞もBGMの一部であるかのように聴きやすい。
台詞と伴奏が喧嘩しないんですね。
レイエとの「古だぬきと古だぬきの化かし合い」的雰囲気も楽しい。
お久しぶりの立岡レイエ。
髪と髭が伸び、いかにも頑固者の芸術家という感じの風貌に。
レイエの濃緑の衣装が、恐ろしいくらい似合ってました(笑)
演技の細かさもさることながら、立岡レイエは何よりも仕草の一つ一つがパリジャンなんだなぁ。
「ハンニバル」の混乱、ルフェーブルの無責任、カルロッタのわがまま。
全てを皮肉な客観性でもって眺めているような、妙な余裕がある。
公演の中止はレイエにとっても一大事だと思うのですが、軽く肩をすくめてそれで終わりとは、おぬしなかなかやりますなと。
ちょっとした動作が粋なんですね。
きっと立岡レイエは、若い頃はかなりモテたに違いない。
密かに楽しみにしていた寺田ブケー。
うーん、さすがに声が若いな。
年老いて腰の曲がった大道具の主任。
あまり血の巡りがよくなく、女の子達を噂話で怖がらせている、やや下世話な男という感じはしなかったですね。
若くてインテリで上品なブケーだった。
最後にアンサンブル。
テープだった時は、録音されたコーラスに生声を重ねていたのかなぁ。
どうも今回はコーラスの穴が目立つといいますか、一人一人の声が揃っていないなと思う箇所が多かったです。
男性アンサンブルでは深い声楽系の発声をしている人と、比較的浅い発声をしている人の声が分離していたし(浅い発声が浮いて聴こえる)、女性アンサンブルでは、ソプラノでテンポ前倒し&音程浮き気味の人の声が目立ってました。
これまで個性を犠牲にしてでも、緊密なアンサンブルを優先させて来たはずの四季にしては、やや雑な仕上がりかなと。
一人一人の声が客の耳に届いていることを意識して、もう少し丁寧な発声を心がけて欲しい。
自分一人で歌うのではなく、周囲と発声を合わせて、全員でがっちりと一つの音楽を作り上げていって欲しいですね。
余談その1。
「ハンニバル」で、ルフェーブルが新支配人に問題を押し付けて立ち去る場面。
奥のほうから「〜〜の責任だろう。もぅ」という台詞が聴こえて来ました。
恐らくルフェーブルさんの無責任を批判する団員の台詞なのだと思いますが、あまりにも実感がこもってましてねぇ( ̄ー ̄)
少し本当の舞台裏を覗いたような気持ちになりました。ええ。
余談その2。
「プリマ・ドンナ」のカルロッタの衣装の背中の部分の模様が、ターバンを巻いてあごひげを生やし、グラサンをかけている男の顔に見えて仕方ありませんでした。
いや、本当にそう見えるんだって!
声の調子はそれほどよくはないようでしたが、演技面ではとても細かく演技されていたと思います。「スィンク・オブ・ミー」では、クリスティーヌよりカルロッタのほうが歌で演技をしていた(笑)
声を細く抑えて歌う部分と、強く歌いきる部分のメリハリがきいていました。
目を細めて遠い記憶を見定めようとするかのように、声を細めて震わせていた。
ただあまり声が伸びてこないのと、高音域で音を切る際の語尾の処理が粗かったのが気になりましたが。
「プリマ・ドンナ」ではカルロッタが主旋律を歌い、その上に支配人やラウル達が様々な旋律を乗せていくのですが、土日ともこの場面が揃わなかったですね。
カルロッタはカルロッタでオケのリズムに乗せて歌おうとし、オケはオケで役者の歌に合わせて演奏しようとした結果、どっちつかずでバラバラになってしまっているという印象を受けました。
途中から歌がどんどん崩れていくので、聴いているこっちもよく分からなくなってきて、「これはダメだ。どこかで正しいリズムをとれないものか・・・そうだ指揮者だ!」と思って指揮を見ましたが、う〜む、指揮を見ても正しいリズムはとれなかった。
ここはオケがしっかりと演奏してあげないと、歌ってる役者さんは辛いだろ〜。
「プリマ・ドンナ」に限らず、「ハンニバル」「ドンファンの勝利」など、ソロではなくコーラスで歌う場面では、オケが頑張って場のリズムを支えてもらいたい。
『オペラ座〜』のあの伴奏を、少人数で支えるのは大変だろうとは思うのですが。
ピアンジの半場さん。
まだ始まってそれほど日が経っていないせいか、とても美しい高音を聴かせていただきました。オーケストラからは微妙に距離をとりつつ、慎重に歌ってらしたのが半場さんらしいなと(笑)
おなじみの支配人コンビ。
こちらも、ややオケの伴奏に歌いにくそうにしてらっしゃいましたね。
支配人のオフィスのシーンでは、フィルマンさんの歌のテンポにオケがついていくのが大変そうであった。
アンドレさんが「イル・ムート」で指揮者に向かって「バレエだ、さあ!」と怒る場面は、さすがにリアルで面白かった。
何の関係もないのに、とりあえず演技の流れで怒られてしまう実際のオーケストラの指揮者は気の毒だよなぁ・・・。
唐突にバレエの音楽が始まって、アンドレさんが舞台に取り残されるのは、ひょっとしたら指揮者のささやかなリベンジなのかも知れない( ̄ー ̄)
深見ルフェーブル。
ルフェーブルは特にオケに合わせて歌う場面はないのですが、「ハンニバル」の伴奏をバックに台詞が入りますね。
深見ルフェーブルは、まるで歌うように台詞をリズムに乗せているので、台詞もBGMの一部であるかのように聴きやすい。
台詞と伴奏が喧嘩しないんですね。
レイエとの「古だぬきと古だぬきの化かし合い」的雰囲気も楽しい。
お久しぶりの立岡レイエ。
髪と髭が伸び、いかにも頑固者の芸術家という感じの風貌に。
レイエの濃緑の衣装が、恐ろしいくらい似合ってました(笑)
演技の細かさもさることながら、立岡レイエは何よりも仕草の一つ一つがパリジャンなんだなぁ。
「ハンニバル」の混乱、ルフェーブルの無責任、カルロッタのわがまま。
全てを皮肉な客観性でもって眺めているような、妙な余裕がある。
公演の中止はレイエにとっても一大事だと思うのですが、軽く肩をすくめてそれで終わりとは、おぬしなかなかやりますなと。
ちょっとした動作が粋なんですね。
きっと立岡レイエは、若い頃はかなりモテたに違いない。
密かに楽しみにしていた寺田ブケー。
うーん、さすがに声が若いな。
年老いて腰の曲がった大道具の主任。
あまり血の巡りがよくなく、女の子達を噂話で怖がらせている、やや下世話な男という感じはしなかったですね。
若くてインテリで上品なブケーだった。
最後にアンサンブル。
テープだった時は、録音されたコーラスに生声を重ねていたのかなぁ。
どうも今回はコーラスの穴が目立つといいますか、一人一人の声が揃っていないなと思う箇所が多かったです。
男性アンサンブルでは深い声楽系の発声をしている人と、比較的浅い発声をしている人の声が分離していたし(浅い発声が浮いて聴こえる)、女性アンサンブルでは、ソプラノでテンポ前倒し&音程浮き気味の人の声が目立ってました。
これまで個性を犠牲にしてでも、緊密なアンサンブルを優先させて来たはずの四季にしては、やや雑な仕上がりかなと。
一人一人の声が客の耳に届いていることを意識して、もう少し丁寧な発声を心がけて欲しい。
自分一人で歌うのではなく、周囲と発声を合わせて、全員でがっちりと一つの音楽を作り上げていって欲しいですね。
余談その1。
「ハンニバル」で、ルフェーブルが新支配人に問題を押し付けて立ち去る場面。
奥のほうから「〜〜の責任だろう。もぅ」という台詞が聴こえて来ました。
恐らくルフェーブルさんの無責任を批判する団員の台詞なのだと思いますが、あまりにも実感がこもってましてねぇ( ̄ー ̄)
少し本当の舞台裏を覗いたような気持ちになりました。ええ。
余談その2。
「プリマ・ドンナ」のカルロッタの衣装の背中の部分の模様が、ターバンを巻いてあごひげを生やし、グラサンをかけている男の顔に見えて仕方ありませんでした。
いや、本当にそう見えるんだって!